Done by
TAHI Project
Linux IPv6 Users Group JP
USAGI Project
WIDE Project, V6 Working Group
2000年9月22日現在,Linux は kernel-2.4 の release を目前に迎えています.kernel-2.4 では 数々の新機能が加えられ,マルチプロセッサ環境における性能の向上が図られました.また, 古い仕様のまま放置されていた IPv6 プロトコルスタックにも,sin6_scope_id が導入されるなど, いくつかの改良が加えられました.
しかし,多少の改良が加えられたにせよ,Linux の IPv6 プロトコルスタックは,まだまだ多くの 問題点を抱えています.大きくまとめると,以下の通りです.
結果として,Linux の IPv6 プロトコルスタックの実装は,他の OS のものと比べて, 著しく品質が劣ったものとなっています.そこで今回,Linux IPv6 実装の問題点を明確にし, 実装を改善するための指針とすべく,TAHI Project による Conformance Test を行いました. さらに,参照実装として既に高い評価を得ている KAME IPv6 実装のテスト結果と比較することによって, 現在の Linux IPv6 開発が如何に遅れて劣っているものであるかを示しました.
なお,このテストを公開するのは,客観的な論拠を示して意識統一を図り, これから Linux の IPv6 の機能を向上していくことを目指してのことです.
IPv6 ホストとしての機能テストです.IPv6 の通信に関する基本機能,ICMPv6 の仕様, 近隣探索機能,自動設定機能等,ホストとして実運用に必要な機能の検証結果です.見てわかる通り, 近隣探索やアドレス自動設定といった,通信に関する基本的な機能のテストが数多く失敗しています.
Linux の実装と比較するため, 参照実装として評価の高い KAME IPv6 実装のテスト結果を載せます. ほぼ全てのテストを成功する,質の高い実装です.各テストの成功率を Linux のものと比較してください.