Comments about the test
- Linux が送信する DAD NS (アドレス重複検出のためのパケット)が、
不正な形式をしている。
- また、Linux が正しい DAD NS を受信しても、無視している。
もしくは、DAD が終了してから、アドレスを設定するまでに、
時間がかかっている。
- これらのことから、Linux と他の実装との間では、正しくアドレス重複
検出をすることができない。
Commentaries
- No.2
- DAD が行われることを確認するテスト。
Linux が送信してくる DAD NS に、Source Link Layer address Option が
ついている。
このような NS は、受信側で invalid とみなされ、破棄される。
このため、すでに他の実装が使っているアドレスを、Linux が使ってしまう
可能性がある。
- No.3
- DAD でアドレス重複を検出しなかった場合、正しくアドレスが設定されることを
確認するテスト。
Linux の link-loacal アドレスが設定されているはず(注1)
なのに、
DAD NS に対して NA を応答しない。
このため、すでに Linux が使っているアドレスを、他の実装が使ってしまう
可能性がある。(注2)
- No.5-12
- Linux にアドレス重複させるテスト。
しかし、No.3 が PASS しない場合、このテストで正しい結果は得られない。
- No.13-20
- Linux が不正な DAD NS を無視して、アドレス重複検出しないことを
確認するテスト。
しかし、No.3 が PASS しない場合、このテストで正しい結果は得られない。
- No.21
- No.2 とおなじ (link-local address 手動設定)
- No.22
- No.3 とおなじ (link-local address 手動設定)
- No.23
- No.2 とおなじ (Global address 手動設定)
- No.24
- No.3 とおなじ (Global address 手動設定)
- No.25,26
- Linux にアドレス重複させるテスト (Global address 手動設定)
しかし、No.3 が PASS しない場合、このテストで正しい結果は得られない。
- No.27,28
- Linux が不正な DAD NS を無視して、アドレス重複検出しないことを
確認するテスト。(Global address 手動設定)
しかし、No.3 が PASS しない場合、このテストで正しい結果は得られない。
- No.29,30
- anycast address 設定方法不明のため、テストせず。
- No.31
- No.2 とおなじ (Global address を RAで設定)
- No.32
- No.2 とおなじ (Global address を RAで設定)
- No.33-35
- Linux の Global, Site-local address が設定されているはず
(注1)の状態で、
DAD NS に対して NA を応答しない。
No.3 と同じ現象。
- No.36-44
- Linux が、不正な RA 中の Prefix を無視することを、確認するテスト。
しかし、No.33 が PASS しない場合、このテストで正しい結果は得られない。
- No.45
- 複数 prefix オプションの処理の確認。
しかし、No.33 が PASS しない場合、このテストで正しい結果は得られない。
- No.46-51(注3)
- Global address の ValidLifetime の書換えに関するテスト。
しかし、No.33 が PASS しない場合、このテストで正しい結果は得られない。
- No.52-57
- Global address の ValidLifetime のエクスパイアに関するテスト。
しかし、No.33 が PASS しない場合、このテストで正しい結果は得られない。
- 注1:
- テストでは、DAD が終了(アドレス重複していないことを確認)してから、
1 秒(=RetransTimer)経過した時点では、Linux のアドレスが設定されていない
(DAD NS に対して NA を応答しない) ことを確認した。
またテストとは別に、少なくとも30秒程度経過すれば、Linux のアドレスが設定される
(DAD NS に対し NA を応答する) ことを、確認している。
このことから Linux は、DAD が終了してからアドレスを設定するまでに、
時間がかかっている可能性がある。
RFC2462 には、DAD が終了してから、アドレス設定されるまでの時間の規定はない。
しかし DAD の趣旨からすれば、DAD 終了後すぐにアドレス設定しないと意味がないので、
遅くとも RetransTimer 後にはアドレス設定されると想定した。
- 注2:
- 注1 のような動作をする場合、Linux→他の実装、の順に(例えば2秒間をおいて)
同じアドレスを設定したときに、アドレス重複検出できない可能性がある。
- 注3:
- 現在 No.48,49 は、テストとして正しくない (RFC2462 に準拠していない)
ことが確認されている。
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